circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

Jean-Luc Godard/ パッション、ウイークエンド

パッション: ミリアム・ルーセルの表情と身体と佇まいの美しさが凄かった。冒頭の飛行機と切り返しが美しかった。フォーレのレクイエムの使用は安直に感じた(映画に生きていない、美しすぎて映像が引き摺られている。負けている)。冒頭のラヴェルの左手のほ…

J-L. Godard/ Prénom Carmen, Le petit soldat

カルメンの方は苦手なタイプのゴダール。常に動きが痙攣して、音楽も痙攣しているので、逆にそれがテンポを一定にしている感じを受け、眠くなってしまう、ただの寝不足か。カルテットの撮り方がすごい。演奏者のテンションが普通ではない緊張感(頭の振り方)…

関係代名詞もなくあわよくば主語さえない日本語に翻訳される西洋語は係り受けが形容においても述語においても信号を送り合っていて、係り受けがないかあるとなればどちらかを省略してしまおうと目を光らせる日本語はいつも西洋語のロジックを夢に輸入してし…

錦林と第三錦林の差異よりも、岡中と近衛中の違いはデカかったんだろうな、とこの人の近衛中の思い出を読みながら思った。住んでいた場所は近そうだが、もし近衛のほうの校区だったら陰惨な虐めも受けずいまだに鬱を抱えて行かずに済んでいただろうか? http…

ジャン・ルノワール: 河

多分二度目。全然覚えてない。オリエンタリズムとかコロニアリズムみたいなものに敏感な視線に自分が多分多少は変わっているだろうし、その目で見るのだけれど、うーん…たしかにインド人で特権化されているのはナンという多分ナニー的存在だけで、あとは隣の…

ミア・ハンセン・ラブ: すべてが許される

許されすぎだろう。これが男性監督であったらぜんぜん受け止められ方は違うにちがいない。難しいバランス。別れた娘と会うことが10年の夢だった、精神と人生を壊した詩人の前に、驚くほど青く繊細な紐で首にかかったワンピースを着た美しい娘がデートしてく…

漠然とした夢を見た 見たかったような 見たくなかったような 触れられないものに触れて 触れたと思っていたのに触れられていない 匂いはなかった 目覚めても 幸せだったのか幸せでなかったのか 分からないから夢のことばかり考えていた 生きるあいまに夢を見…

知らないあなたがわたしのことを好きだったらいいな

人生は多分二分木で 毎日が死と死の延長の選択だ ましな生があるわけでない ましてましな死があるはずがない 死はそこで終わるから 死でない方に枝を伸ばしていくだけで その先に何があるか知らない 知るよしもない

死んだあなたが出てこない夢が続き、また再び、あなたが生きて現れ、立って歩いていた。それは日曜の昼下がりに見た夢だった。わたしはここしばらく、週末の昼に起き上がっていることができない。私たちは誰かのお墓を参る、あなたは目がほとんど見えず、灰…

あなたとあなたたちに ひらかれていくゆびとてのかたち

私の心が晴れるか晴れないか そう言ったことが問題じゃなくて 内なる糾弾者をどうするかたぶんそれが問題 なのだと思う わたしはこの人と統合できるのか いつまてもどこまでも何をしていてもわたしが わたしがしている、いや生きている、そのことを否定しつ…

朝とともに絶望がやってくる だから いつまでも 眠りたくない

この転がるような光の川は朝の光かそれとも 夜の光か

ロンドン大学のどこかのキャンパスのどこかの大教室で、黒板の前に立って、ちょっとした講師気分を味わったのは、日本語検定の監督をやったからで、わたしは黒板に、リーディング何分、リスニング何分、文法何分、などと書き、その、文法をgrammerと書いたの…

わたしのめにはいつも輝いて見えたラッセルスクエアの、噴水をこえてくる光をみながら、わたしはあなたのことを好きだといい、あなたはinappropriate だ、と言った。わたしがあなたに日本語を教えていたからである。体感的文脈に基づく語彙の理解。

ゼロの庭へ

非常に雑なメモ 鬱経済学試論 ファイナンス理論においてハイリスクハイリターンの原則、すなわち未来の収入が不確か(散らばり具合)なほど、その収入の真ん中の値(収益の期待値)が高いこと(高期待収益率)を求めるというものがある。 一方、私の身体と認識が語…

夜は悪いことしかかんがえないから早く寝ること

問うべきなのは、狂うのがまともな人間の反応である世の中だというのなら、一に、今狂っていない人は狂っているのか(あるいは感性が摩耗しているのか)という軽蔑について、あるいは(狂っているくせに、或いはだからこその)選民思想についてである。世の中は…

あいもかわらずお薬を飲んでいるが、わたしは意地でも不安定でいるぞと心の中で決めているのかもしれない。この世の中で心がまともでいられる人である正当性は、この世の中で当然にまともでなくなってしまうまともな人たちを救う強い人になりたいという願い…

ひどすぎる、世界を侮辱するなんて!Troppo male offendere il mondo! て思いながら生きていよう。È bello il mondo! 世界は美しい!のだから

物事が崩壊に向かっていることを知らないままサスペンドされていた1年間、わたしはうちなる彼女に語りかけ、うちなる彼女の目で大学一年生という物語を見ていたような気がする。あの池のほとりで、彼女の引用した漱石の一節のことを考えたりしていた。いつか…

君もしつこいね、と彼女の父親は電話越しに言った。君に対するaffectionは無くなったのだ。卑怯だ、と19の時の私は言った。表に出ずにそれを親に言わせるなんて。しかし私が彼女の両親以外の友人達に公にしないまま、(公にできる)恋人になる約束をしたまま中…

自己表現を言葉でしようとすると精神状態を崩すのはなんでかしら…それならば音や色で表せば心は崩れないのかしら…夜眠れなくて、苦しんで、朝起きて、苦しんで、何もできないでいる。書くことをやめなくてはいけないのはしんどい。けれど多分自分について書…

いろんなひとがじぶんよりもひかってみえるときに、じぶんは他者を理想として生きているのだと気づく。じぶんからとおくいるひとが輝いてみえているが、あれはじぶんにはなれないものだ。しかし、輝いている(悲しい)。わたしは、時間から離れなくてはならな…

しかしサステナブルな生き方(働き方)ができないのならば、わたしはいつ何もかも失っても良いように生きなければならないのではないだろうか?わたしではないなにかのごっこをして、ごっこからお金をもらい、ごっこが本物になって適応できなくなると倒れてや…

向くしごとをしたほうがよいとか、向かないしごとはやめたほうがいいとか、どちらから攻めるにしても、働くことが向かない人や、生きることが向かない人は、では生きない方がよいのかという、優生思想が働き、生きない方が良いという答えは出さないべきであ…

144番のかたー、144番のきつねそばの方ー、と中年店員が大きな声でいい、ふてくされたように中年客が「聞こえてますよ(2回言わなくても既にここにいる)」と言うと、店員はすみませんでした、と言った。私の隣から大声で、はっはっは、聞こえてますよ、はっは…

ぼんやりと頭蓋を上から抑えてくる憂鬱という障害物が、1日を最初からダメにしてしまう。眠くて、寝ていたら鬱は治るのかというと、そうではないことは経験している。鬱であることを表明せずに働くのは詐称であると書く、鬱をサポートするサイトがそんなこと…