circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ウィーンで、あのウィーンで。 あるべき、歌い方は、モーツァルトから、ベートーヴェンから、そのまま流れ降りてきて、そのフレージングのピアノが、こうやって歌われている時に。 アメリカへ。 シュナーベルが彼の12、3歳のソナタを褒め上げて、その後のこ…

コルンゴルトのピアノソナタ二番の三楽章を聴いている。感動的なオクターブ下降、溜め、そして7度上行。ウィーンの爛熟だとか、腐臭だとか、世紀末ウィーンの不健康な甘さの闇から、飛び立っていく光は、スーパーマンの響きが隠れていて、コルンゴルトという…

甘さに手を伸ばそう

電気色した階段が天から降りてくる 足を踏み合う街で背を伸ばしている 円柱たち

書かれなかったものがたり、読まれなかった詩文、話されなかった言葉。なにも残っていない。あなたの落とした、あぁ、という響きだけが。 自殺することすら面倒だな。美しくありたいと思っていたけれど、無理無理重ねなきゃならないようなら、自分の中の他者…

敬愛する詩人が書いた理論書を読んでいる。詩人が論理を書くこと(でもたぶんそれは、ただの論理ではない)。「フィクション」とは何だったのか、ずっと考えている。わたしには筋というものがわからない。「筋を作ること」の意味が分からない。作るものでは…

夜の御所を歩いた。誰もいなくて、周りには建物が見えず、樹だけが広がり、ぼくたちは砂利をじゃりじゃり進みながら、10年前とさして変わらない話をした。生きているんだな、と思った。美しさとは、君の目が切り取ったある時のことで、君がそれをどこかで文…