circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

ジャン・ルノワール: 河

多分二度目。全然覚えてない。オリエンタリズムとかコロニアリズムみたいなものに敏感な視線に自分が多分多少は変わっているだろうし、その目で見るのだけれど、うーん…たしかにインド人で特権化されているのはナンという多分ナニー的存在だけで、あとは隣の家のジャンさんの娘が母親がインド人だったと知らされずに育って(そんなわけあるか!)美しいインドの娘そのものに育っている、彼女が西洋サイドの娘2人と3人で主人公なのだけど、明らかに彼女だけが美貌の人として描かれていて実際すごい美貌である。しかしやはり特権化はされている。3人の心を揺らすために外から招じ入れられるアメリカ人退役兵の居場所のないくるしみはあまりテーマでない模様で、きちんとは描かれない。なぜ彼がモテなければいけないのか、わからない(ヒロインが相当な美貌だけに)。ヒロインはインドと西洋のどちらにも居場所がなく、僕が嫌いなんだろうという退役兵に、「嫌いなのはあなたじゃない」、「じゃ誰なんだ」、という問いに間を置いてMYSELF! と叫んで走り逃げ去る。かっこいい。あとは西洋人の子供たちや赤ちゃんたちがもう無条件に可愛く撮られている。これもストーリーとは全く関係ないところでワンテンポ置くためだけにただただ可愛い。それがこの映画の良いところだと思うが、それも西洋的な特権化ではある。思っていたよりショットの入れ替わりの忙しい映画だった。