circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

入院記を書いた病院を訪ねていくと、なくなっていた。大きな、ぴかぴかの商業ビルが建っていた。入院している間、窓から見える小学校から声が聞こえていたが、まだわたしがいるうちに廃校になって、最後は建物だけ眺めていた。寂しかった。天井に花火を思い…

ここに座ったら、お迎えが来てしまうんじゃないかと思った。

https://lueur.hatenadiary.org/entry/20070305 ここを読まれていないと思うけれど、もしかしたらいつの日かここに辿り着かれるかも知れないので、投げ瓶として。 集を作ってみました。十三年前のOQさんの声に導かれて。集めてみたら、どうなった、というわ…

中島敦 山月記

、を読んだ。電車に揺られながら携帯で読んだ。教科書では多分読まなかった。心が痛んだ。刺されるような気がした。 人々は己を倨傲《きょごう》だ、尊大だといった。実は、それが殆《ほとん》ど羞恥心《しゅうちしん》に近いものであることを、人々は知らな…

わたしなんかの感性だけじゃ、届かない場所が、ある。感性は孤立すると、内側へ掘っていき、そこにはもう何もないというのに、見つからない、見つからない、となげき、さけぶ。わたしを見て、というほどに、内容のないわたしが、掘りすぎた後に残った。言う…

もり (なんて深い) いけ (なんて底知れない) から 空へ浮上する疑問符 あるいはこうしていつもだれかがエコーを続けているの、かな あるきながら、髪を揺らして いけに落ちる二つの雫が 歩いていくひとり寂しい人にこだまする おとは消えていく なにもな…

眠りにいるまえの枕明かり おやすみはなんどもゆっくり 意味がなくなって音になる ひとり ひかり ひろがり ひとり 2009-03-23 それから割と美しい声を上げて枯れた木からまだみどりの木へと 鳥は飛んだ 見ているわたしは死んでいるのか生きているのか 眼がど…

君という雲のむこうに もっとたくさんの君たちの雲 +++ ミニコンポ だきながら だんをとる ベランダで + こいだとか いうものだから いけないいけないと いって いけにいしなげた +++ 愛しているからではなく 愛していると言いたいから愛していると言いたい …

しゃぼんだまのなかに しゃぼんだまがとんだ しゃぼんだまのなかでとんだ しゃぼんだまのなかのしゃぼんだまがはじけてきえた そたのしゃぼんだまははじけてきえなかった わたしはめをとじて はじけてきえた

あなたがもし耳が聞こえるようになったら、ぼくはあなたに何を聴かせてあげようかなあって、いつもそう考えてきた。世の中にたくさんきれいな和音や音色があることを、信じられないぐらいきれいなんだってことを、あなたが知ってくれたらどんなにうれしいだ…

無現の傘 +++ たくさんのことを語ろうとすればするほど、言いたいことなんて何もないことにきづく +きみの口ぶりをきみのいなくなるまえに +おおくを言わないあいだに 沈黙がぼくらの言いたいことをつなぎおおくを言わないうちに ぼくらは同じことを感じてい…

トイレに入ると吉田さんの部屋だった。吉田さんは部屋でフランス語で農業の勉強をしていた。吉田さんの机と向かい合わせに洋式トイレがあり、僕は何事も無いかのように便器に座って用を足しながら吉田さんとしゃべっていた。用を足しているのがばれないよう…

<わたしには見えないけれど、わたしには見える。だからわたしには大切な思い出になる> + 頭上、鳩通過 空への残像 刹那 微笑の天気図 (竹上泉へ) + 深海魚はプロ野球選手になる夢をみる。(あの角へボールを当てることが出来るなら。) 螺旋階段に行き着く…

しの整理と、フレーズの救済をしばらくしています。 + 冬の南の海の脇の道を誰もおらず一人で歩き続ける。耳元に鯨の声。「見えるだろうか」と僕は思った。前にも後ろにも死しかなかった。遠くで遊んでいる若い人たちが白かった。私とは関係ないところで世界…