circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ロメール/冬物語、再び、そしてネタバレ

ロメール/冬物語の残酷さは【以下ネタバレのため、見ていない方は読まれぬよう】、主人公があまりにも真っ直ぐに愛を信じることができるような、徹底的に幸福な失敗で関係を断たれたことで、もしこれがあそこまで徹底的な失敗でなく、すこしでもフェイドア…

エリック・ロメール/恋の秋

「冬物語」の衝撃から立ち直れていなくて、目もしばらく涙が枯れたみたいに眠い続きだったのだけれど、、、冬物語のいろんな人の感想をよんで、わたしは主人公に没入しすぎたし、共感しすぎたのだと他の人と比べて思った。今まででベストロメールと思ったけ…

シャンタル・アケルマン/一晩中

これはちょっと眠かった。ものがたりを語る気がないのだと気づくのには暗すぎたためにか遅すぎた。同じ場所を写すから関連性を探すのだけれどもともと人の顔がわからない人だからわたしのせいだと思っていたら本気で関係ない人たちを同じ場所に連れてきては…

エリック・ロメール/冬物語

フェアリー・テイル。前も後ろもなく泣く。現代のベルナデット・スビルウの物語。Par hazardということは、災難という意味ではないらしい。あるいは幸せな災難だったのではないだろうか。一通り泣いてから、マリー・リヴィエールが目で語った物語を考えてい…

僕たちの求められないラブアンドピース

大きく背中のあいたワンピースを着て、後ろにくくった湿り気のある短い髪に、迷ってたどり着いたような小さな顔で、それが一つの名詞みたいにまとまって離れずにあった、梅雨が来たのだ、そこだけに

シャンタル・アケルマン/街をぶっ飛ばせ(1968)

まず何にせよシャンタル・アケルマンの声が綺麗でかわいい。出鱈目に歌っている映像と必ずしも同期しないアフレコの歌で成立してしまっている(一方で擬音語みたいなのも言っている)。「ジャンヌ・ディエルマンをめぐって」を見た時に驚いたのは、あの映画か…

シャンタル・アケルマン/家からの手紙

10番街を北上する 延々と続く移動撮影 私のニューヨーク 3ヶ月しかいなかったけど この辺りはたくさん歩いた たくさんというのは嘘 でも歩いた ポート・オーソリティのバスターミナルへと上がっていく立体道路 あの螺旋が上がっていくのを10番街を北上するカ…

サミー・フレイ/《ジャンヌ・ディエルマン》をめぐって

「ジャンヌ・ディエルマン」のメイキング。よくもまあ25歳の無名の女性監督の映画に注目してメイキングを撮ったものだと思う。最初からこれがいつか歴史に証明されると判断したサミー・フレイおよびその恋人かつ主演女優のデルフィーヌ・セイリグの確信のす…

シャンタル・アケルマン/ノー・ホーム・ムービー

辛い。いつからか遺作にするつもりで撮っていた、あるいは編集していたのではないか。荒れ果てた土地に吹く強い風から始まり、荒地はときどき挿入される。監督の内的光景か、あるいはブリュッセルをはなれたアメリカかどこかなのか。監督の老いた母がどんだ…

シャンタル・アケルマン/ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地

まずは聖地巡礼から。 https://maps.google.com?q=Quai%20du%20Commerce%2023,%201000%20Bruxelles,%20%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC&ftid=0x47c3c3856e791205:0xfd89825e10a5d573&hl=ja-JP&gl=jp&entry=gps&lucs=s2se 郵便番号が違うようだが… 邦題…

シャンタル・アケルマン/アメリカン・ストーリーズ

「東から」が良かったのでとりあえずいま下高井戸で見れるもの全て見ようと思う。今のところ東からが一番良かったのだが。冒頭、ストローブ=ユイレ「アメリカ」で見たような海からのニューヨーク、自由の女神(「アメリカ」ではストローブ=ユイレの徹底したと…

シャンタル・アケルマン/ゴールデン・エイティーズ

「東から」の落差。ミュージカルと知らずミュージカルだったので驚いた。正直音楽はよくない。しかし泣いてしまった。報われないもの同士が抱き合って慰め合ってそれでも生きてくんだということを、異様に力強い台詞回しでデルフィーヌ・セイリグが言う。こ…

シャンタル・アケルマン/東から

ストローブ=ユイレ「早すぎる、遅すぎる」に対する映画界からの唯一の返信、とストローブが言っていたような記憶があり、それならば見ないわけにいかない、と思って。字幕なし。何がが話されているのかわからない。最初はアケルマンだからフランス語かな、と…

かたい とがったものをふんづけて あしのうらからやわらかい こころまでささってしまった ねられない おなじものをふむのは にどめ かばんに入った 上を向いたペン ふんだ ささった さけんだ さけんだ それから 刺されたわたし 刺されてもいきているわたし …