circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

 トイレに入ると吉田さんの部屋だった。吉田さんは部屋でフランス語で農業の勉強をしていた。吉田さんの机と向かい合わせに洋式トイレがあり、僕は何事も無いかのように便器に座って用を足しながら吉田さんとしゃべっていた。用を足しているのがばれないようにしなければならない。  

トイレといえばこの前、和式トイレが何のついたてもなく並んでいるトイレで用を足すという夢を見た。中国の公衆便所みたいなのである。30個ぐらい並んでいるので、どこですれば一番目立たないだろうかと、一生懸命考えた。  不思議な乗り物に乗ってホテルの中に入って、乗り物に乗ったまま階段を下りていく。がんがんがんがん。凄いスピードだけどあまりこわくない。  

京都駅にいた。ホームにあるカフェ(プレハブで3階建てで、なぜそんなものがホームにあるのかわからないが、なんとなくアジアンテイストで素敵なカフェだったのだ)で、女の子二人と素敵に語りながらコーヒーとか飲んでいた。そしたら新幹線が来た。新幹線って、新+幹線なわけで、そう考えるとあんまりかっこいい名前じゃない。リニアモーターカー(もうなんかできそうに無い雰囲気だけど)ができたら、それは新々幹線になるのか?超新幹線になるのか?それともまたTGVとかUFJとかわけのわからない名前がつくのか?僕らは新幹線に乗り込んだ。2階のグリーン車だった。とても乗り心地がよかった。女の子二人と僕はドイツについて話した。「ドイツなんて旅行してもつまんないよ」と僕は言った。「一人で回ったときは、どこへ行ってもあんまり代わり映えしないなあと思った」。すると女の子が憤慨して、「そんなことはない。車窓から見る景色がとても素敵だ」と言う。新幹線から外を見ると、彼女がドイツで見た景色が広がっている。  僕は何かの賞(芥川賞とか)をとったらしく、飲み会会場にいた。乾杯の音頭を取らされるのだけれど、僕はこれはとても苦手だ。皆から囃し立てられて、それなりの名文句を短い間に大声で言わなければならない。  

日吉さんとそのお姉さんが、目の見えない白くて大きな犬をつれて歩いていた。歩いているうちに犬は、飲み会場の畳の上で座っている僕のところにやってきて、頭を僕に擦り付けた。僕は言った「ぼくはおいしくないよ」。その言葉に日吉さんは憤慨して、犬をひっぱって向こうへ行ってしまった。  

森先生とそのゼミ生たちで夜の街を歩いていた。森先生は、道のアスファルトのちょっと盛り上がったところを指差して、ここを掘れと言う。ゼミ生がみんな怯んでいるので、僕は足を駆使して一生懸命掘る。僕が一生懸命掘っているうちに、ゼミ生たちはその中を見て、たくさんの紙切れを見つける。近くのスーパーのクーポン券が埋まっているのだった。森先生は、「こういう価値のあるものの保存方法・処理方法に困って、持ち主がアスファルトに埋めてしまうというのは、よくあることだ。」と言った。そこらへんを探せば金塊などが埋まっているかもしれないと言う。ゼミ生たちはみんなわくわくする。でもよく考えればクーポン券は期限切れかもしれない。  

熊野神社の前を、京大病院のほうへ歩いている。英語の先生が神社の前に走りこんで、「3578回目の合コンが、今度こそうまく行きますように!」と大声で祈っていた。それをきいてしまった高校生の私は、どうしようかと思う。合コンなんて、聖職者たる先生が大声で言っていい単語なんだろうか。それにしても3578回目て。1日1回でも10年はかかります。スキャンダルですよこれは、と思う。  

新幹線の話にもどるのだけれど、彼女たちの話によると、これから転勤するらしい。社長のコネでグリーン車のチケットを取ったのだという。そんなに簡単に手に入らないチケットなのだという。周りを見たらたしかにセレブっぽい人がいっぱいいて、ミジンコみたいな私はそぐわない。そもそも私はグリーン車の座席券を持っていなかった。フリーライダー。わたしは女の子二人に別れを告げて(ドイツの件で喧嘩したのでそんなに別れは惜しくなかった)他の車両に移った。僕は座席券のみならず特急券・乗車券すら持っていなかった。車掌が来て「チケットを拝見」というのを恐れて僕はとりあえずトイレにこもろうと思った。トイレをあけると、そこは吉田さんの部屋だった。  

というような一連の夢を見ていると、春山くんの電話に叩き起こされた。「俺ベンチャー起こす!」などと言っている。いやな目覚めだ。しかたないので僕は吉田さん(仮名)の夢を話す。それから延々とトイレ議論をする。検尿のコップに尿を入れる難しさともどかしさについて、(朝から)延々と語る。それから、運動会の障害走のなかにトイレを入れればいい、などと言う。ハードルを越えて、網を潜り抜けて、そしたら10個ぐらい男性トイレが並んでいて、10個のトイレに均一に尿を入れていかなければならない。均一性が評価の対象となる。それからもちろん、トイレとトイレの間ではもらしてはいけない。前立腺周りの筋肉のコントロールを競うのだ。