circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

16

「この小さな牧歌的な物語が今日、ぼくたちに何か、失なわれた遠い夢のようなお話に感ぜられる‥‥



‥‥‥失なわれた遠い夢?
あ? 戻りたいんだ。
やっと僕が現代の(それ)を否定するわけが分かった。
ね。そうでしょう?



「でも、ぼくらはもうダフニスやクロエの季節に戻ることは、できないのです。」



*



完全な自由は、<それ自体で秩序>なのである。(必要以上に求めないということが)

中途半端な自由は熱情を呼び、その熱情は幻滅に押さえつけられてしまう。

これだ。これだよ、きっと。



でも現代を生きる僕にとって、ギリシアに戻れない僕にとって、そんなものは見る気もしない。
おい、三島由紀夫的宇宙人はどうした。



身体なんかかなぐり捨てて
魂だけの人間になりたい。



僕がこの前こう書いたのは、そういう意味も含んでいたのかも知れない。