circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

過去にこだわりなんて持たなくていいんですよ、とMさんが言った。明日からぜんぜんちがう自分になっていてもそれを楽しむ自信はありますね。

 

振り返ってわたしの希死念慮は過去へのこだわり以外から発生していない。誇りも過去にあり、不幸せも過去にある。明日の自分に満足できる自分しか楽しめないじゃない、だって…逆転満塁ホームランをいつまでも打とうとしなきゃいけないじゃない。

 

吉田寮の横に、一度燃えたこともある部活の建物があり、オーケストラの練習場がある、そこにグランドピアノがあって、夜通し弾かせてもらった夜があった。一人だけずっと聴いてくれる人がいた。わたしはその人のことをよく知らない。その人は私のことをよく知らない。ただ、二夜か三夜、わたしはひき、その人は聴いてくれた。その絵をわたしはずっと覚えていて、そのひとは忘れただろうけど、人生の中で最も嬉しかったことの一つだ。