circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

南禅寺山門のしたで雨の止むのを待っていて、そのまま雨に濡れて山道を歩く、水路閣から、蹴上まで、その間に様々の不思議なことが起こる。雨の中で。同時に哲学の道銀閣へ。ノートルダムという天使の通う学校があった。

雨が降っていた
暗い門の下で
男が三人いて
僕がその一人だった
門の先に続くのは
センチメンタルな山道だ

雨が小降りになってきたので僕は歩き出す
男が「大丈夫かなあ」と言っている
分からない

細い山道は哲学の道よりもっと狭い
二人並んでいっぱいだ
鹿ケ谷通りよりも寂しい
人はほとんど通らない
客のいないラーメン屋が三軒並んでいる
近くに天使たちの通う高校があるが
どうやら今日は休みらしい
平日は天使がここで
ラーメンを啜るのだろう

宿に着いて玄関から中を覗くと
暗くて誰もいない
こんにちはあ、こんにちはあと叫んだら
あごひげを伸ばした兄が出てきた
まだ部屋に前の人がいるから
ここで待っている、と言った

はやくチェロを弾かなきゃ
はやくチェロを弾かなきゃ
僕は焦っている

振り返れば