circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

ときどきソフィアの街のことを思い出す。社会主義の残りの、学生しか住んでいない街で、ほんとに学生しかその一帯にいなくて、映画館が安くて(学生しかいない)、連れて行ってくれて見た英語が、17歳のカルテだった。英語もてんでできなかった18の頃の私は、ぼんやりブルガリア語の字幕を見ながら、ブルガリア語でセックスをどう綴るのかということだけ覚えた。連れて行ってくれた男子学生は、アンジェリーナ・ジョリーが好きだ、と言った。ぼくはそれが初めてアンジェリーナ・ジョリーという女優を知った時なので、以降彼女を見るたびにソフィアの学生街のことを思い出す。ウィノナ・ライダーを見てもそうだ。