circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

http://www.youtube.com/watch?v=p85AqdpZwQI
なんとなくHVLの曲を聴いていて、この曲のほかの演奏(MP3)ではたと足を止めてしまい。このあふれんばかりの歌を20世紀に生きた人がうそがなく書けた(1912)という、ブラジルという国のまだまだな可能性。美しい、と、夢を見るような瞳を空に投げるしかない。この演奏ではあまりうまくいっていないけれど、0:11からの下降するベース、4つ目の音に現れる(つまり5つあるなかでさいごから一つ前)深淵。ここはritかけるべきではないところだと思う。予感させないでそこへ至ると聴いている人は奈落を見つめることになるのに。予感させてはいけない。たとえば1:16からのたっぷりした短調から1:30で長調へ「降りて行く」のだけれど、その降り方も、えっ えっ えっ えっ と降りてほしいのであって、ほらちょっとritしてここから長調ですよ、ではなくって、1:29で入る下の和音が、そのままよっよっよとへんな降り方をしていってしまう(奈落が下にある)のを自然に聞かせてほしい。そしてなんとちゃんと着地するんだけど。