circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

愛しているということを、そんなに簡単にいうものではない。
わたしは、ながいながいため息をつきおわって目をつぶった。
ひとつの歌を歌うこと。それは、考えて立ち止まるのではなく、感じてたゆたうこと。
標識を見ないで、体が流れたい向きのことだけ感じること。
考えると隙が生じ、それは死につながる。要素について考えないこと。ただ、長い長い長い長い歌を。長い長い長い歌を。長い長い歌を。
星が見えるなら、それは星を見ようとしたときではなくて、なにも考えずきれいなところを歩いていたときだから。そのとき君が隣にいれば、僕は件の長い長い長い歌を歌ってあげる。僕がいなくなっても君のなかで歌い継がれるように。