circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

2006-07-27から1日間の記事一覧

わたしは耳が聞こえない。夫は音楽家だった。わたしは音楽とは何かをわたしなりに理解しようとしたし、夫は耳の聞こえないわたしを恥ずかしがらずに音楽家の友人に紹介して回った。わたしの声は音楽家の耳には甲高いおかしな声に聞こえるだろうに、そういっ…

高校時代に彼が一生懸命つけている日記を読んだことがある。彼はいつもと置き場が違うのでわたしをすぐに疑い、2日ほどわたしと口をきかなかった。そこには性と死について延々と書かれていた。生きる意味が性だとすると自分には死しかない、とそこにはあっ…

わたしが読んでいた佐藤愛子や遠藤周作を彼が読み始めたのは中学時代のことだった。なかでも佐藤愛子が死について書き綴った本と、遠藤周作が性について書き綴った本を何度も読み返していた。中学1年で夜尿症を京大病院に通って治した(何の薬も与えられず…

性格の暗い長男と三男が着実に巣立っていく中で、いちばん明るく生き生きしていたニ男がどうして今鬱病になってしまったのかと思うことがあった。ニ男がいちばんわたしににている。まわりのために明るく振舞おうと努力している。三人いて、いつもいちばん気…

1/5 それからわたしは寝た。息子が横たわって死んでいる夢を見た。すぐに目覚めて一階へ降りてみると、息子はこたつの部屋で倒れていた。午前5時だった。肩を触ると冷たかった。死んだのかと思った。パソコンが二台動いていた。CDがばら撒かれていた。ガス…