circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

ひいてきた。37番をひきたいんだ。2曲目。

この写真を選んだ人はそうとうやばい人なんだろうと思う。僕がひくと音が洪水になって何がどうなっているか良く見えない。リヒテルはまるで格闘家みたいになっている。写真センスがやばいザラフィアンツはむだにロマンティックすぎる。キーシンは憧れが足りないと思う。ポンティさんの憧れ方はすこし近いものを感じる。だけどもっと和音がやばいことにならないか。ザラフィアンツでいうと0:57からの1:04の和声展開にジャズの一歩手前の夜と憧れとわけのわからないなにかがある。そして僕らはこの末に気違い方向へ突っ走っていく彼の未来を知っている。彼が危うい綱渡りをした期間はとても短い。37番はその一番美しいぎりぎり。1曲目をきこう

とても美しく弾かれている、少し早いけれど...0:49は全スクリャービンのなかでもっとも息をのむ瞬間なのだけれど。
3曲目。さらにジャズの方角。いつものキーシンのとてもいい演奏

なんども聞きながら弾いて、同時に引いても、キーシンが0:05から0:07にどういう魔法を使っているのか、まったくわからない。特に0:05の和音の押さえ方の意味が分からない。左手音の混沌とした混ざり方、しかも混沌ではなくもわもわと、ありえなく美しい。それにしてもなんという和音。
4曲目だけが残念な方向へ落ちているので弾きたくない。
ここからどこへいけるのだろうか。作曲家は、あまりうまくいかなかったようにおもう。