circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

生きて還る。深呼吸してきた。考えてもしかたないことを考えすぎなんだと思う。だからしばらくあらゆる考えることを放棄することにした。すこしずつひつようなものを取り戻していくべきなんだろう。

かえって荷物を解くと日常が戻ってきそうで解かないでホウ・シャオシェン「ミレニアム・マンボ」をみていた。いつもどおり淡々としていいなと思った。物語性のなさがいい。とつぜん夕張とか新大久保とか。しかもぜんぜんストーリーに絡まない。というかそもそもストーリーがない。スーチーはかわいいなあ、とか、そんなかんじ。

島本理生ナラタージュ」を旅行の間ずっと。わたしの読書の時間は遅い。とても大切なシーンでエリセの「エル・スール」を恋する二人が見るシーンがあった。父と娘のあの愛とも秘密とも遠ざけともいえない距離感を主人公二人に当てはめたかったのだろうか、と思った。別れ際にエル・スールを二人で見てそのまま寝てしまうカップルは悪くないな、と思った。それ以外は、服装の描写が無駄に多い気がした。いろんな描写に無駄がおおい。でも悪くない小説だと思う。あまり現代の小説はよまないのに、島本さんのは結構読んでいる気がする。伏線の張り方がうまいひとだと思う。ラストとか不覚にも涙ぐんでしまった。伏線そうきたか。