circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

トムの三月の水のオリジナルを何度も聞いてる。途中、早口で、音程がついていけてないところがある。そもそもトムは歌がうまいひとではない。ジョアンと比べれば全然違う。でも彼が歌わなくてはならない理由がある。のだろう。声のあり方として、声を悪くしたあとのブライアン・ウィルソンみたいだと思う。音程の危うさふくめ。乖離している、と菊地さんがいう言い方は好きだ。ずっと乖離してる気もするけど。なぜ、作曲家が歌うのか、ギターを弾くのか、ピアノを弾くのか。敬愛するエイトル氏は人前ではおそらくひかなかったし、指揮者としてしか録音を残していないのではないか。ギターは、すこし。みんな、うまくないと思っていただろうに、ずっとトムが歌っていた、ということに、何かがあるはずだ。
このバージョンと、エリス1972バージョンでは、最後の半音階下降のメロディがない。ジョアン1973でジョアンがぼぼぼぼいいながら美しく歌うのが、ほんとうにびっくりするほど綺麗で、マチータペレー及びエリス・トムの最後に半音階下降のメロディが現れるのはジョアンからの逆輸入ではないだろうか?