circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

シュトラウスメタモルフォーゼンは冒頭が陰鬱な曲だが、ふと長調に転じて、嗚呼ウィーン、と思う瞬間がある。そのときに、薔薇の騎士が現れる、それも、空襲で殺されて行った。リードぎたー的に、ミーソファミシドソミファ、という優雅で、モーツァルトの主役が窓から飛び降りて逃げ去って行くような猫的なメロディは然し乍ら晩年のリヒャルトそのもので、時代遅れとして評価されなくなったであろう時に最高傑作を書いてしまった人だと思うのは、このメロディが最後の四つの歌の春の最後のVnと同じだからである。