circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

フォルラーヌを聴きながら、これが一番墓感ある、と昔の友人が言った。この曲の音の数は少ない、概してラヴェルの曲の質は音数に反比例し、難易度に反比例する。彼にしか言えない寂しさがある。寂しさを表現し得る方法は限られている。寂しさの共有をおいてほかに音楽の価値は少ない。ゆえにラヴェルがしたことは大きく、調性がやり残している宿題はここにもある。


フォルラーヌの音の少なさ。音域の狭さ。その限りにおいての、和声の高度さ、ときどきおとづれる低音の響き。フランソワとギーゼキングを繰り返し聴き比べて、フランソワだ、圧倒的に、と思うのは、よろよろしながら、和声のことばかり考えているように思えるから。よろよろに減点など一個もない。