circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

18の夏、ダッカ、カレーばかり。ゼミの活動は小さく新聞に乗った。大使の人が迎え、バングラは貧しいけれど心は一番豊かなんだという調査があります。少女はとても美しく泥の中を細く歩いていた。ホテルの前の警備員は金持ちだけを通す。この世から離れたホテルで僕らはロブスターを食べる。少女は長く生きないだろう。ぼくは混乱する。教授は悠然と、大使は典型的な文系の官僚だったねとディスる。ぼくにはよく分からない、とにかく理系に滑り込んだのだから、へーそうなのですか、と言う。読んだ本のことばかり得意げにはなすあの感じが、文系人間、と、理系教授たちは悠然と、ダッカで話す、そとはすぐスラム、泥と、美しいはかないキラキラした子供たちと。19の夏。ダッカ二回目。わたしは、取りこぼす、取り残す、わたしの無能。ブラックから見た景色。すぐ裏のスラム。役に立つひとになりたい。その景色の中で広報のひとから聞いた話。[英語でなんとか意思疎通していたのだな。]いまのぼくではダメだ。金をむしり取るだけの無能だ。まずは日本で稼げる人間になること、ひとを率いることができること。その方向。しかし、いまやわかっている、わたしはその方向ではない。善意だけでは食いつぶす。能力はない。そして取りこぼしたままだ。