circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

授業中に足元に猫がやってきて、体を僕の足になすりつけてくる。最初は体の右側を、次に左側を。かわいくて授業に集中できない。気がついたら授業は終わっていて、まだ猫がなすりつけているので教室を立つことができない。








そのゼミは卒業生や高学年が幅を聞かせていて、ぼくは猛烈な勧誘をうけて一度顔を出したのち、先輩の気持ち悪さ(彼らはとても頭が良かったが、彼らが学んでいる学派の無謬性を一寸も疑わず、これを学ばないだなんて、という態度だった。初学者は無知だが逆にそのおかしな匂いを察知することはできる)から、授業を途中で抜け出そうとし、廊下を必死で逃げるが、靴がおかしいのか足がおかしいのか早く走れない。ふと前をみると先に他の通路から回り込んだ気持ち悪い先輩が立っている。それから長い長い先輩の説諭が始まる。マンションの一室にゼミ勧誘パーティーが開かれている。卒業生も集まって前の集会のビデオを流していてみんなで見ている。ぼくはまた逃げようとする。もう新入生は周りにいなかった。新入生たちは別の部屋にいた。それは例の先輩の部屋で、例の先輩はその部屋を外人ロックギタリストから一日だけ借りていた。にもかかわらず例の学派の本がならんでいる。有名なのだろうか。早く学校に戻って他の履修を決めないと。週に八コマまでしか取れないのに、まだ二コマしか決まっていない。このゼミに絡め取られたからだ。でも時間的に間に合わなかった。カバンを持ったら自分のカバンではなく先輩のカバンだった。中身が例の学派の教科書だったからだ。中身を出しているうちにそのカバンが自分のカバンであり先輩のカバンではないことになっており、だからなかみをだすのだけれど、先輩がやってきてその教科書について長々話し出す。これ、学ばないの?信じられない、知の怠慢だ、とでもいうように。軽蔑は学生にとって常に恐ろしい。これはなんの反響なのだろうか、とかんがえて、大学一年のとき直面した残滓的な左翼運動だとおもった。