circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

ウェブというウェブを見て、コルンは時期的に左手カルテットぐらいまでだ、と言う人があんまりいない。バイオリンコン最高とか書いてあるし、一方で(op12だけど)死のオペラすごいとかかいてある。映画音楽はやっぱり再評価すべきだ、と書いてある。交響曲もよいね、など。どうも、彼は初期の室内とピアノと歌だけいいとおもう、などとほざいているのは僕だけのようだ。
彼のオケはなんか違うと感じています(なぜあんなにチェレスタ系の楽器を使う必要があるのでしょう、たしかにそれはそれでそういう音楽なのですけれど。。。)セクステットの緩徐楽章を聞けば、ピアノソナタを聴けば、クインテット2楽章を聴けば、いちぶの歌曲を聞けば、かれが十分に「深刻な」人であることが分かると思うのです。僕の耳には、ですけど、死の都はちょっと売らんかなに聞こえるのです。死の都マリエッタアリアと、その直後に書かれた別れの歌(1曲目、3曲目)の、この美しさの宇宙的な格の違いは、いったい何なのでしょう。それにしてもなんと彼の作品ポートフォリオ(op1-25ぐらいまでで見ても)、深さ浅さの変動の激しい事か!もっと、たくさんピアノソナタを、2番と3番の間に書いてほしかったものです。歌ももっとたくさん。ナチス以前においてすら、彼は書けるはずのものを、何らかの理由で十全に書けなかったのではないか(書かなかったのではないか)、と思っています。
飛びすぎるけど、率直な喩えは一つしか思いつかなくて、なんだかはしえりみたいな作曲家だと思います。