circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

9/16

Kさんの手紙読む。少しうれしくなる。僕みたいに鬱々して自分の内面に埋没していかない彼女の感受性に打たれる。
僕にとって、本当に音楽の毒が分かる人に、自分の壊れかけた心をさらにむしばむ音楽を聞いてもらって、それを理解してもらうことが、どれだけ心の安らぎになるだろう!
時には僕を死の感傷に連れて行くぐらい、この美しく繊細な曲、
息苦しくなるぐらい、
この切ない曲を、他人に、少しでもいい、共感してほしいのだ。
それが僕の「砂漠のような孤独」から少しでもふりほどいてくれる。



*



    昨日、人にあったんだ。
    それからどうした?
    「やあ」、って言ったんだ。



*



孤独にいると俗世が恋しく
俗世にいると孤独が懐かしい



*



    「やあ」、って言ったんだ。



*



S君は言った。自分でいくら考えたって、他人に伝えなきゃ意味ないことだよ。思索の末、自殺したとしろ、その考えが他の人間に分からなきゃ、それはただの自殺に過ぎない、と。


でも、ちがうんだ、
そんなんじゃないんだ。