circustic sarcas

Diary of K. Watanabe


しかし1890年代までに、日本の版画の評価は、新しい鑑識眼を生み出す段階にまで達していた。ホイッスラー自身はいつもの申し分ない趣味で最高の例を見極め、それを額装して壁にかけていた。一方チャールズ・リケッツとチャールズ・シャノン(ともにワイルドの親友で、彼の評価を得ようとビアズリーと争っていた)は、重要なコレクションを築こうと必死になっていた。ちょうどこの時点で、二人にとって最も衝撃的な芸術上の出来事は、競売上にいた友人全員からお金を借りまくって、6巻構成のすばらしい北斎の素描を購入したことである。