circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

2011-06-03から1日間の記事一覧

歩くことに夢中になっていたんだな。振り返れば海が見えて、遠くに一つの船が横切っていった。汽笛が聞こえる。ぼくのまえを歩いていたひとは誰だったんだろう。汽笛がまた聞こえる。

追いかけても追いかけても足あとは続く。森はどこまでも青く続いて、くまは知らない道を導かれながら歩いていく。空の色が変わり、川の音も変わる。虫が耳元を飛んで去っていく。木は黙っているけれど、話せば話しかけてくれるかもしれないと、思う。意外と…

人間嫌いになったくまは森へ分け入って、分け入って、そこに足あとを見つけて追いかける。おなかは減っていないし、追いかけても仕方ないけれど、なんだか気になる足あとなんだな、とこれはくまの口調。ひょっとしたら、可愛い女の子かもしれないし、山に一…