circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

情熱に追いつけない、とショパンをひく恋人が言った。
わたしは彼女がほんとうは情熱的な人であることをしっていた。
けれど、彼女はその出し方が分からないでいるような、静かなおっとりとした人だった。
わたしは情熱だけで生きていたから、ショパンに追いつける気がしていた(指が追いつかなかっただけだと思っていたし、今もいる)
いまだに、木枯らしのエチュードは、聞くと心が痛む。


よる、ショパンのことを考えている。
ソナタ三番。最強だ。
二楽章の最後、6が2+2+2から突如3+3に変わるクロスリズムはロックだ。
三楽章の最後、解決前の強烈な死への憧れのような内声。
四楽章、死へひた走るということを、二番とは違う情熱でやり遂げた、二番が前衛としたら三番は何なのだろう?エモい、とにかくエモい。ショパンに比べればスクリャービンさえ終楽章でここまでエモーショナルになり切れていない。