circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

透明な悲しさ 早朝にまだ寝足りぬまま目覚めて窓辺へ行く女性の絵のことが頭から離れず 涼しい風がそこには吹き朝の真っ白な青空があってそれは気持ちよくあの世とつながり、キッチンではコップの音が小さく鳴る ぐるぐるとわたしの頭から離れない言葉が、モノローグ(声には出されないが、聞こえてくる)として聞こえてくる 死ぬときはこんな朝がいいな、と聞こえる、もっと美しくさらに整った言い方だったかもしれない 女性は今日死ぬわけではないから、部屋に戻ってまた眠るだろう キッチンにはコップととじられたゴミ箱だけが見えている 窓からの光で明るいし、涼しい スリッパを窓に背を向ける 歩き始める その先には部屋と眠るべき場所がある そこはまだくらいだろう それは見えないけれど。 明るいところとくらいところの交通 一瞬だけ見せられる明るいところの描写 ガラス感 突き抜けた空 あの人に関し、高さは、どこまでも高い なぜか、なぜ他のひとは高さはどこまでも高くないのか その高さを限っているのは、人間性か とすれば、あの人はなんなのか