circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

車がトンネルに入ると僕と弟は息をとめた。
窓越しに流れていくオレンジ色のランプを眺めていた。
出口は見えない。


出口が遠くに見えはじめる。僕と弟は苦しくなりはじめ、
父はアクセルを踏み込む。流れていくオレンジ色のランプが
速くなる。


苦しくて苦しくて、ついに口を開きそうになったそのとき
車は出口を抜けた。光がまわりに降り注いだ。
ぷはあ。
僕らは笑った。
トンネルに勝ったのだ。
   









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真空です