circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

エンマルノ・オルミ/ 楽園からの旅人

原題は段ボールの村。なぜこんなことをするのだろう。内容そのものの原題を変え、意味深な題名をつけることができるのは作者だけだ。これではだめだ。


見たあとで、だから?と、いう後に、ゆっくりと考えることがある気もする。主役の演技は私にはまだ煩かった。なにも語らない移民たちのほうが説得力があった。緻密に作るのなら、主役の演技と、あとこれ見よがしに緊張を煽る不協和音はわたしは避けて欲しかった。バーバーとペルトを掛け合わせたような悲劇的な音が流れ続けている。同じ色を重ねるように、説得力は薄れていく。