circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

ドライブ・マイ・カーイントロのヤバさは結構昔から論じられている問題らしかった。

drive my car intro とかでぐぐればいろんな人がいろんなことをいっている。リンゴ・スターが入りを間違えたのだと言う人がいる。そして半拍早いほうがはまるとかいってる。ええーそれぜんぜんよくないよ。もし「リンゴが間違ってなかったら」
(以下拍数付記
1:ラド/2:(ミb)レド/3:ラファ/4:ーミ/1:ファ#ー/2:ファ#ミ/3:ーミ/4:ーファ#/1:うん/2:Asked a /3:girl...
となるということらしい(えー)。弱起に聞こえるけど本当はふつうに4拍4拍でそのままいきなり「うん」のあとで鍋叩きが始まる。(ちょーつまんない。)つまりリンゴ的には
(1:ラド/2:(ミb)レド/3:ラファ/4:ーミ/1:ファ#ー/2:ファ#ミ)/3:たかたか/4:たかたん/1:うん/2:Asked a /3:girl...
という入りであるはずだとかいう。
今表記していない副旋律があって、(ラド/(ミb)レド/ラファ/ー)ド/レー/レド/ラド/ーレ/うん/Asked a /girl...
というのが鍵を握っていると思うんだけど、もしその、リンゴ正しかったら上みたいにラドーレうん、ってなっちゃってなんか、ソーラン節みたいな残念さになる(やばい逃げろ)


当時のビートルズはラバーソールの縦長写真も偶然スクリーンがナナメったのをそれで行こうとかいうセレンディピティ重視スタイルだったようだから、これもリンゴがいちど間違ったのを「ソレイイネ」って言ったのかもしれないが、この副旋律は「ドラ/ドー/レー」というリズムを明らかに希求していると思う。つまりスイッチがどこかで切り替わらなくてはいけなくて、それは僕の感覚では、複調みたいに、複拍子みたいながソプラノとアルトでおこっている
ソプラノ
2:ラド/1:レド/2:ラファ/3:ーミ/1:ファ#ー/2:ファ#ミ/3:ーミ/4:ーファ#/1:ー(やばい間延び)/Asked a
アルト
2:ラド/1:レド/2:ラファ/3:ード/1:レーレ/2:ドラ/3:ドー/4:レー/1:うん/2:Asked a /3:girl...(きれいにはまる)
べつにレーレを三拍にする事もなかったし「レドラ」ととることもできるけど、とにかくソプラノの「ファー/ファミ/ーミ/ーファ/ー」は絶対にシンコペーションでなくてはいけない一方で、そのミとファと同じタイミングで入ってくるアルトの「ドーレー」は明らかに強拍だということが大切で、りちゃーどすたーきー氏の「たかたかたかたん」はその「ドーレー」に合わせてやってる。だからたぶんこれは確信犯だと思う。一方で、ソプラノを聴いてしまうわれわれは、シンコペーションのリズムで突っ込むので裏と表が逆になってめまいがするのだが、それを笑うようにはいるこの鍋叩き(まだ言う)はすごいなあ。なんっていうんですかこの楽器。カウベルですか。マーラー6番3楽章のあのカウベルと同じですか。これを強迫観念のように一拍ずつ表で叩くというのは、あれだけ騙したあとでもう天才的だと思います。裏だと思った人が勘違いして裏で取り続けることが一瞬で不可能になるというすごさというか。