circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

10/24

水ばりの部屋で
魚が一匹勉強している


耳をすませば
天からの声が
静かに 四分の三拍子で
流れてくる


魚は
音の流れに逆らって
昇っていく


魚が見えなくなったころ
四分の三拍子は止まる
水ばりの部屋に
また
もとの透明な静寂が
もどってくる



*



日曜日の朝、窓から光が入ってきて、僕のほほは光でいっぱいになる。


人は寂しい動物だから、その代償に笑いをもつ。


存在すること自体が寂しいから、人は笑い、僕も笑う。


身体をショパンのプレリュードが流れていくように、寂しさは体の中をさらさら流れていく。それが美しさだ。