想像してみる。
僕たちは外に出た。満天の星空。
僕はいった。
このままこのそらへとんでいったらあなたはどうおもわれますか
沈黙。
あなたは泣いているようだった。
ペガサス、岩上の馬。
世紀末に咲く一輪の白い花。
*
画面の限りない広く清澄な空へ
僕も俗世からぬけだしてペガサスにのりどこかへ飛び去っていきたい
夢だ。幻想だ。現世には何のやくにもたたない。
でも僕ももうすでに現世の人ではない。
*
おやすみ。
ぼくがねている間に、またフランスは
核を落とすだろうけど。
フランスがルドンの国であることはさびしいことだ。
また世界はオディロン・ルドンの黒の世界へかえろうとするのか?
色彩があったらいいじゃない。
<その色一つ一つに精神的深みを見出せれば>、戦争など起こらないだろうに。
黒の世界。
「お前が統治していた天国の高みであろうと、敗れ去り、いま沈黙の夢にふける地獄の底であろうと、悪魔よ、お前の身に栄光と賛歌あれ。」
なるほど、色を得てルドンはモローを超えたと思う。
モローには両性具有に共感を覚えるのだけれど。
現実から目をそらし美しいものをめざしたところで、
どうなる?
黒から抜けだした
一つ一つの色のよろこび!!
芸術だけに優しくなれる。
嫌な現世には辛くあたってしまう。
僕が芯はやさしくてナイーヴな人間である、ということを知っているのは僕一人だけだなんて!
天使みたいな人間になりたい。
太陽みたいにみんなをてらしてあげる。
でもそういいながら芸術に逃げてしまう。
芸術と生活。アンチテーゼ?