circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

@ポルノグラフィー文学を書いていたこと

 1920年代は、1890年代に比べると、美術と性の関係に対する関心が一挙に高まった。そんな時代に、ビアズリーの全作品を概観する著作(1928)を出したホルデイン・マクフォールは、「あの圧倒的エロティシズム、あのセックスに対する好奇心は、彼が画家になった日からずっと、その芸術的な表現全体を支配してきた」という証拠を指摘する。マクフォールによると、それは「才能に恵まれた肺病患者に共通して見られる性的な熱狂」と同一視されるものである。ビアズリーの仮面の中で、この性質が著しく高められたので、「エロティシズムは彼の人生において重要となり、感情を支配するようになった。彼は男根崇拝の研究に夢中になった。そして結局のところ、セックス崇拝は文明の黎明期に重要な役割を果たし、その後においても潜在的に存在するのである」。
 確かにビアズリーは、性のあらゆる側面に深い関心を示した。過去の「好色」文学と称される本を幅広く読み、古代ギリシャや日本、18世紀フランスのエロティックな美術をよく知っていた。彼はまた同時代のポルノグラフィーにも興味を書きたてられた。