circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

新入社員の中でもやはり僕はかなり浮いていて、僕は浮きたくないのに、なぜか目立ってしまう。いつもスタートダッシュばかりして、途中で疲れて最後には押し黙ってしまう、いつもいつものパターンだ。クレバーな人たちは最初はしずかにしていて、だんだん実力を示していく。僕は瞬発力だけはいいから、最初からぺちゃくちゃしゃべりとおし、目立ちたくないのに目立ってしまい、新入社員300人のなかで手を上げて、「今のスライドの意味がわかりません」とハンドメガホンつくって絶叫してしまう。壇上の人は僕のその態度(友人によると頭を15度傾けて手でメガホン作っているその様子はおちょくっているようにしかみえなかったそうだ)にプチ切れして、「資料に書いてあるんですけど」といったのだが、事実資料には書いていなかったのである。壇上からプチ切れされた私は300人の新入社員からプチ切れされたという目で見られる。極論すると馬鹿だと思われる。あるいは目立ちたがりだと思われる。しかし実は妥当性は僕のほうにあって、彼のほうにはなかったのだが、彼が壇上にいるという理由だけでそういう非平衡が生じるのである。だれも僕の味方をせず、しかし僕が質問した事によって明らかになった重要な情報だけは享受する。そんな役回りだと思う。たいていのひとは黙っていて、あとでそっと聞きに行くのだろう。だけど、僕は知識の共有が重要だと考える。そして、スピードが重要だと考える。だから、そのためには一発で声を届けなければいけない、僕の声はとても小さい、だから、メガホン作って全身でさけばなくてはいけなかった、僕がやらなければ誰もやらない事は肌で感じ取れた、だから僕は全体のベネフィットのために自分を犠牲にした形になる。天然マゾの僕としてはプチ切れされて落ち込みはしたが、どうせそういう形になるのをわかっていてやった行為なので、意外と落ち込んではいない。しかし、またいつもどおり、目を付けられてしまったな、と思う。そして、こいつはひょっとして出来るやつなのではないか、と勘違いされてあとで無能がばれて落ち込む事になるか、最初から「目立ちたがりの馬鹿」と思われるか、どちらかなのだ。ああ。グループディスカッションもなんだか気がつけば仕切り始めているし、そしたらプレゼンテーションも気がつけばやっているし、それもなぜかすごくうまくいってしまうし、いつも最初だけはうまくいく、いつも最初だけは面白いやつだとおもわれる、そして素性がばれるにしたがって、まわりから「思ったほどすごくないな」「てかふつうだな」「てか鬱だな」という声が聞こえ始める、というのがここ10年ぐらいのパターンで、まったく参る。どうしていつもこう、最初ばっかり気合が入って、後が続かないんだろうか。ということを夜1時に雪山の中のインターネットスペースで一人で書いています。まったく、もう。