circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

3月中旬が一年の中で一番好きです。
 

桜がこわい。きみはそう言った。春の夕暮れ。
汽車が(ターン、ターン)と走る。その中で過ぎ去っていく。
すべてのものが。そして、わたしたちが。
わたしときみとのあいだが。
桜がこわい。僕もそう言う。
桜はいつか散る。満開の桜がこわい。もうすぐ散ってしまうのだもの。
そうね、咲き初めの桜が一番きれい。まださきが残っているもの。
わたしときみは、たぶんいまが、満開です。

 
という、詩を昔書いた。桜が散ることを予感させられる前に、僕は永遠にとどまりたい。僕は、三月中旬が一番好きです。
 
咲き始めの桜の下で死にたいな その三月の望月のころ