circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

マタイ受難の第一曲、エーモールの主和音のこと。
うまく言えないけれど、始まりますよ!という感じではなくて、いきなり最初の一拍から死への深みへ足を踏み入れたような。まるで、ヒンデミットの高貴なる幻想のような、ブルックナーの九番第一楽章冒頭のような。
とーん、と、とーん、と言う、キリストの脚の引きずる音はそのままマーラーの九番の冒頭の不整脈へも繋がっている。