circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

見上げれば、それは緑に囲まれてまるく浮かんでいるように見えるそれは空だ冷たい空だ


池を数匹の水鳥が波を立てて飛び立っていく、長い時間が立ってしまった長い長い時間


遠い昔僕はここで本を読んでいた
あの人が読んでいた本を
あの人が勧めなかった本を


女はstray sheepの言葉を残して去った
まもなくあの人も去った
言葉だけを霧のようにあとに残して


朝の池に誰もおらず
stray sheepは今日も静かに池を回り続ける


stray sheepよ、お前は何度この道を回ったのか


stray sheepよ、お前はいつまでこの道を回り続けるのか