circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

ルドンの美しさの唯一性は、武満が飛行機で足止めされた偶然により入った美術館で、受け止められたインスピレーションそのままに、一言で、目が閉じられていることだ。アリの目は、開いているが閉じている。裸婦がおんなでないように、仏陀もルドンにおいておとこではない。モローとは違う意味で、中性を生きている。実際、ルドンとモローをつなぐ一番太い糸はその性的なあり方ではないかとすら思う。目を瞑るものは生殖をしない。仏陀はアリの姿なのだろう。彼を父に持ったアリ・ルドンはそのあとどう生きたのか?