ぼくはきおくのことを知らなかったわけじゃないよ
ぼくはきみのことを知らなかったわけじゃないよ
みちにまよって歩いているうちにぐるっとまわってきたことに気づくように
久しぶりに聴いたわすれてた音楽がずいぶん前に聞いたことがあるような気がしたり
読み進めば気がつけばずいぶん前に読んだ本だったり
そんなようにきみにいつか会えればいいななんておもっちゃうんだ
にちようびの午後に街をはいかいしてかぞくに探されながらどこかとても遠くの町の神社の山の上で
きみにであってはじめましてを言おう
それからちかくの遊園の観覧車にのって三回まわったらぼくの最期だ
閉じる世界の中で きおくのことを知らなかったわけじゃないよって言おう