circustic sarcas

Diary of K. Watanabe

散歩

四谷にて母と会う。四谷はなんて静かで美しいところなんだろう。病院はこじんまりとしていて、応対が暖かい。散歩に出かけた「ユリカゴメがいっぱい飛んでる 焦りながら暇人 (笹野みちる
僕が直子と別れ際に歩いた道とは逆の方向へ、つまり「ノルウェイ」でワタナベと直子が初めて出会って歩いた四谷→市谷ルートとは逆方向へ、自然と足が動いていた。四谷→紀尾井ルート。イグナチオ教会でオルガンを聴きながら静かに座っていた。ソフィア・ユニバーシティの中をぐるぐると歩いた。東大よりずっとずっとこじんまりとしていて美しい。人たちの顔が美しい。みんな輝いていた。サークル棟や食堂や音楽練習室やを歩いて回った。講義を外からのぞいた。黒板は英語で埋め尽くされていて、何かのシステム図が書いてあった。応答の曲線みたいなものが書いてあった。公開講義のメモをたくさん取った、多分ソフィアの人しか取れないんだろうけどもぐろうかとおもう「ソフィア空港で黒人の男がわたしに近づいてきて言った助けてくれ金を貸してくれ国にかえる金がない空港で発病したんだ(やばいうつされる)いやもう完全に直ったんだしかし病院に帰国の金を払ってしまってここでものも食べれずに困っているんだ わたしはわたしを偽善者だと思ったわたしは彼を置いて去ったわたしはもう二度とソフィアに行くことはないだろうとおもった(2000年8月
それから歩いて四谷へと戻った(そろそろ彼女と会ってゆっくり話すべきときだと思った前はなしたのは3ヶ月ぐらい前だろうかいつも3ヶ月ぐらいずつ空けて彼女と会うそれでいつも6時間ぐらい話し続けるあたしは彼女のことがとても好きだ彼女に彼氏ができるたびに世界が真っくらになる
母とじぇらーとを食べたイタリアのじぇらーとやさんのまねだったイタリアのほうがおいしいねと母がいったそう母もイタリアに住んでいたのだった(オペラを見た次の日僕らはヴェローナの町を歩いたジュリエッタ壁高い高い滝ア愛の翼と彼女は言った彼女は言ったヴェローナで食べたじぇらーとが「今までの人生でいちばんおいしい」と目の前の彼女はいった目の後ろの彼女はあたしの影の中で死んでいた